『Mirai Delivery OST』参加

 漫画『未来デリバリー』のトリビュートアルバム『Mirai Delivery OST』が9/8(土)に公開されました。主催のカミウラさんのbandcampページよりフリーダウンロードができます。

 こちらのアルバムに8曲目の「dreamin' on our spaceship」という曲を書き下ろしさせて頂いたのですが、アルバムの背景も含めて少しばかり紹介をしていきたいと思います。

 

 この『Mirai Delivery OST』ですが、漫画『未来デリバリー ちいさなアシモフと緑の忘れ物(漫画:深山フギン 脚本:大塩哲史)』の連載5周年を記念した「架空のアニメのサントラ」というコンセプトのアルバムです。原作コミックスは2巻完結で発行されており、pixivコミックでは数話無料で試し読み可能です。

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pixivコミック

 

 私自身は今回カミウラさんから企画についてのお話を頂くまで原作を読んだことがなかったので、最初は「面白そう!参加したい!」という思いもありつつ「いきなりトリビュートアルバムなんかに参加してしまってよいものなのだろうか…」と思ったりもしたのですが、「作風が合いそう」ということで直接お声掛け頂いたため、喜んでお受けさせて頂きました。結果、素敵な作品と引き合わせて頂くことができ嬉しく思っております。

 

 物語としては、記憶をなくした少女の「アスミ」が唯一覚えている「緑の髪の少女」を探し求めて、ロボットの「アシモフ」とともに様々な惑星を旅するというSF的な作品です。

 その「緑の髪の少女」というのは初音ミクなんですけれども、他にも旅の道中で出会うキャラクターたちはリン・レンやルカほかクリプトン社のボカロ達で、「似てるけれど同一人物ではない」といったような形で出てきます。(似てるけど別者…というのが物語の鍵だったり味わいをプラスしている要素だったりするんですが「ボカロの個体」の解釈は奥が深いアレなので各自お願いいたします!)

 

 

 さて私の提出させて頂いた曲ですが、こちらは「アスミとアシモフが宇宙船で一日の終わりを迎えるシーン」をイメージしたものです。

 どのシーンの曲を作るかは各参加者に委ねられている形だったので、コミックス2巻分を一通り読んであのシーンがいいかな、それともこれがいいかなと色々候補を考えていたのですが、不穏だったりアクションが激しかったりするシーンよりも、前向きに明日を迎えようとする穏やかな2人の様子と、宇宙らしい情景を表現したいという方向に絞ることにしました。そこで「宇宙船」「夜」に着目してみたというわけです。

 

 とはいえ作中では宇宙船の中の描写はあまり出てこないので、特定のこのシーン!というよりは勝手ながら想像を広げてみたものになります。きっと2人は宇宙船で昼間のことを振り返って喋ったり、これまでに出会った惑星の人々のことを思い出したり、これから何が起こるのか考えたり、窓から見える星々の光景にうつらうつらしていたりするんだろうな、という感じです。

 

 イメージとしては、ハム太郎のアニメで毎回ロコちゃんが日記書きながら「明日はもーっと楽しくなるよね、ハム太郎!」って言ってるシーンがあるじゃないですか。漫画ではそういった「毎回同じシーンで〆」というのはなかなかない気がしますが、アニメならそういうのがあるのもいいよね…と思ったのです。あのシーンで流れていた曲はとても印象的で今でもよく覚えています。

 

 曲を作る上では、いつもより何割り増しか「素朴で可愛らしい音」にすることを意識しました。宇宙空間を表現するにしても壮大で飲み込まれそうな音よりも、レトロフューチャーな素朴なシンセの音とかが合うんだろうなとか、「アシモフ」というロボットにしてもかわいらしいフォルムの古いロボットなので、その作動音はちょっとコミカルに聞こえたりするんだろうなとか。ちなみにSFに疎い私は参考として「2001年宇宙の旅」を観たりしましたが、声を何倍にも長く引き延ばしたみたいなドローンがBGMとして流れている箇所があってなるほどなあ~と思いました。そのうち真似してみよう。

 

 参加された皆さんの曲が出揃った状態で通して聴いてみると完全にアニメのサントラだったので感激しました。また、全体通してどこかノスタルジックなテイストなので、まるで「昔観ていたアニメなんじゃないか」と感じてしまうのが面白いです。

 原作を読んだことがない方でも温かさや切なさ、ドラマチックな展開を楽しめること請け合いです。また、ジャケットはもちろん「エンドカード」として2枚の特典イラストが付いています。

 

 ぜひぜひ、宜しくお願い致します!